自分で堆肥を作ってみたいなら、「堆肥枠」を使うと便利です。
堆肥枠はホームセンターなどに売っていたりしますが、なかなかの金額がします。少しでも節約したいのであれば、堆肥枠を自作することをオススメします。堆肥枠は意外と簡単に作ることができるので、堆肥枠のメリットと作り方を紹介します。
堆肥枠とは?
堆肥枠とは、その名の通り堆肥を作るための枠です。牛糞たい肥などだと個人で作るのは大変ですが、植物を使った堆肥であれば個人でも作ることができます。そのような堆肥を作るための枠を、ここでは「堆肥枠」と呼びます。
堆肥という名前はついていませんが、腐葉土を作るのに使うこともできます。野菜の切れ端とかの生ごみを堆肥にすることもできます。雑草も堆肥にできるので、場所を確保できるなら堆肥枠を作ってみるのもいいと思います。
堆肥枠を作るメリット
2022年8月時点で堆肥枠を調べると、一番安いものでも9000円弱というなかなか高いものでした。買ってきて組み立てるだけという手軽さはあるにしても、少し高いような気もします。
堆肥枠を自作するのであれば、出費をかなり抑えることができます。これが堆肥枠を作るメリットの1つです。
もう1つのメリットは、雑草の処分や生ごみの削減です。
堆肥枠を使って何を堆肥にするかというと、オススメは雑草です。雑草を堆肥化できれば、雑草を処分する必要がなくなります。そこに生ごみを加えれば、ごみの減量にも繋がります。さらに堆肥の購入も減らせるので、かなりお得になります。
- 堆肥枠を買うより安い
- 雑草の処分ができる
- 生ごみを減らせる
- 堆肥の購入を減らせる
堆肥枠の作り方
堆肥枠のメリットがわかったところで、堆肥枠の作り方を紹介します。簡単に作ることができますが、作るよりお金を出した方がいいと思う人は、迷わず堆肥枠を買いましょう。
堆肥枠の材料と必要な道具
今回紹介する堆肥枠は90cm(900mm)四方のものになります。高さは30cm(300mm)で、それをいくつか重ねることもできます。
堆肥枠の材料
まず堆肥枠1個の材料を紹介します。
- 合板(12mm×300mm×900mm)4枚
- 角材(35mm角、長さ300mm)4本
- ネジ(長さ32mm)24本
合板と角材は大きさ・長さのものがあればいいので、大きいものを買って自分で切ったり、お店で切ってもらったりしても大丈夫です。
材料が木なので、使っていくと堆肥枠も腐っていきます。それを少しでも防ぐために塗装された合板や防腐処理された角材などを使うのもいいと思います。その分、金額は高くなりますが、耐久性も上がります。
ただ、耐久性のある材料を使って長く使うのと、安い材料を使って作り直すのとで、どちらが安くなるのかはわかりません。材料を買ったり、作ったりする手間を考えたら、高くなっても耐久性の高い材料を使った方がいいと思います。
その他に堆肥枠を使った堆肥作りで必要になるものもあるので、堆肥枠の材料と一緒に用意することをオススメします。
- ブルーシート
- ビニール紐
- 米ぬか(なくてもOK)
米ぬかはコイン精米機のところで手に入れられることもあります。あとはお米の農家さんや、お米屋さんに聞いてみるのもいいかもしれません。今回は米ぬかを入れるのを忘れてしまいました。
堆肥枠作りに必要な道具
堆肥枠を作るのに必要な道具がいくつかあります。家にない道具があったら、材料と一緒に購入しましょう。合板や角材をお店で切ってもらうなら、その待ち時間を使って道具を買うと効率的です。
- ドライバー(電動がオススメ)
- ノコギリか金槌
- 曲尺(かねじゃく)などの長さを計る道具
- 鉛筆
曲尺(かねじゃく)はL字の物差しです。他にも何か作る予定があるなら買っておいてもいいというくらいのものだと思うので、定規などで代用してもいいと思います。
材料のところにある通り、木ネジを24本使います。普通のドライバーでもできますが、電動ドライバーがあると楽なので、他にも何かに使うことがあるなら、これを機会に購入することをオススメします。堆肥枠作りにしか使わないのであれば、手で頑張るか、知り合いなどから借りてきてもいいと思います。
手のケガを防止するために軍手などの手袋もあった方がいいと思います。
実際に用意した堆肥枠の材料
この記事を書くにあたって、堆肥枠を3個作りました。実際に用意した材料とかかった金額も紹介しておきます。2022年8月時点の金額です。材料の金額はその時々で変わりますし、お店や地域によっても変わるので、参考程度にしてください。
- 合板:パネコートイエロー(約12mm×900mm×1800mm)2枚:税込5,676円(1枚税込2,838円)
- 角材:杉野縁(30mm×40mm、長さ1820mm)2本:税込308円(1本税込154円)
- ネジ:コーススレッド(長さ25mm)150本:税込294円
- 合計:税込6,278円
合板は塗装されているものを探しましたが、パネコートとドルフィンコートがありました。ドルフィンコートの方が少し安かったんですが、違いがわからなかったので店員さんに聞きました。堆肥枠を作りたいということも伝えたところ、「パネコートの方が耐久性が高いから、長持ちさせたいならパネコートがいい」というような答えでした。
ドルフィンコートの方の値段は忘れてしまいましたが、確か2~300円くらいの違いだったので、それなら耐久性が高い方がいいだろうと思ってパネコートを選びました。テカテカしている方がコーティングしてある面です。
角材は35mm×35mmを探したんですが、行ったホームセンターにはありませんでした。45mm×45mmはあったのでそれを買おうかと考えていたところ、数量限定で30mm×40mmという安い角材があったので、それを選びました。
ネジは長すぎても短すぎても良くないと思ったので、25mmのものにしました。なるべく安いものを探して買いました。ここまでの数はいりませんが、追加で作ったり、他のものを作ったりするときに使えるので、多めのものを選びました。
合板と角材は購入したお店で切ってもらいました。自分で切ればさらに安くできますが、真っ直ぐ切る自信がなかったので(曲がる自信があったので)、お金を払って切ってもらうことにしました。
- 材料費(合板、角材、ネジ):税込6,278円
- 合板、角材の加工費:税込550円
- ブルーシート2枚:税込830円
- 合計:7,658円
堆肥枠を作る手順
材料が揃ったら、堆肥枠作りに入ります。完成イメージは「四角い枠」です。
組み立て前の準備
今回作る堆肥枠は重ねることができるようにするので、角材を合板から少し飛び出させる形で作ります。飛び出した角材がもう1つの堆肥枠にはまって、ズレることを防止する感じです。
角材は30mm飛び出させます。角材の端っこから30mmのところに線を引きます。1本ずつ引いてもいいですし、並べてまとめて引いても大丈夫です。やりやすい方を選んでください。このときに曲尺(かねじゃく)があると便利です。
線は合板と接する面だけに引けばいいので、隣り合う2面だけで大丈夫です。
このままだと上に堆肥枠を乗せるときにうまくはまりにくかったりするので、飛び出させた角材の部分をノコギリで斜めに切るか、金槌などで叩いて斜めにしておきます。
ノコギリと金槌の両方で試しましたが、金槌の方が楽でした。ノコギリは斜めに切るのが大変です。
堆肥枠の組み立て
材料の準備ができたので、堆肥枠を組み立てていきます。
合板と角材をネジで止めていくわけですが、先にドリルなどで穴を開けておくといいそうです。面倒なので穴を開けずにそのまま電動ドライバーを使って固定しました。
木ネジで止めるのは角材1本につき3か所です。心配ならもう少し増やしてもいいと思いますが、必要な木ネジが多くなるので3か所くらいでいいかなと思います。角材を30mm飛び出させるので、材料の準備のところで角材に引いた線と合板の端っこを合わせて止めていきます。
枠の内側で堆肥ができていくので、枠は内側から腐食していくことになります。そのため、コーティング面が内側になるように、角材をコーティングされている側につけます。
角材は斜めにした角が外側になるようにします。これを間違えると斜めにした意味がなくなるので、気を付けてください。写真では少しわかりにくいかもしれません。
この状態でネジで止めます。今回は3か所にしましたが、心配ならもう少し多くしてもいいかもしれません。
角材1本に対して合板2枚を止めることになるので、ネジがぶつからないように位置を少しずらす必要があります。こんな感じで立てた状態でネジ止めしました。
見やすいようにネジが少し飛び出した状態にしてありますが、このあとしっかりと止めました。
合板1枚は角材と端っこを合わせて、もう1枚は先に付けた合板の端っこを合わせると、きれいな正方形に組みあがっていきます。画像の左側のような感じです。作った堆肥枠は、1枚目の合板の両方の端っこに角材をつけてしまったため、右側のようになってしまいました。
これで堆肥枠の完成です。2個以上作る場合は、この作業を繰り返すことになります。今回は3個作ったので最大3段にできますが、2段+1段で使います。
堆肥枠の使い方
堆肥枠の使い方については、この記事を書いている時点で現在進行形で体験中なので、いろいろ調べたことをまとめてあります。堆肥が完成したところで書き換える予定です。現在進行形での堆肥作りについては別の記事にまとめていきます。
堆肥枠は平らな地面の上に置いて使います。数ヶ月置いておくことになるので、邪魔にならない場所を選んでください。後に出てくる切り返しのために、隣にもう1個堆肥枠を置いておけるスペースを取っておくと便利です。
堆肥枠の中に堆肥の材料になるものを入れます。ここでは雑草を材料にするので、雑草をある程度まで入れます。その上から米ぬかを入れて、踏み固めて、水をかけます。また雑草、米ぬか、踏み固める、水をかける、、、という感じで雑草(材料)と米ぬかをミルフィーユ状に重ねていきます。
水の代わりに木酢液を使ってもいいそうです。水の量は堆肥枠を地面の上に置いたなら下から抜けていくので、多すぎる分には問題ないと思います。今回は雑草が濡れていたので水はかけませんでした。米ぬかは入れ忘れました。
土も入れた方がいいという話ですが、土を入れずに雑草堆肥を作っている最中です。うまくできるかわからないので、ちゃんと作りたい場合は土を入れることをオススメします。土なし(雑草の根っこについている土のみ)で雑草堆肥ができるか確認したら、ここの部分は修正する予定です。
米ぬかが手に入らない場合は、米ぬかなしでも大丈夫だと思います。これについても、雑草のみで実験中です。結果が出たらお知らせします。
堆肥枠が1個の場合は、堆肥枠が満杯になったら材料の投入は終了です。堆肥枠を2個以上作った場合は、2段以上に積み重ねていくこともできます。満杯になった堆肥枠の上に別の堆肥枠を入れて、同じ作業を繰り返します。
このあとの作業と高さを考えると、2段までがいいと思います。
材料を入れ終わったら、ブルーシートをかぶせます。これはしなくてもいいみたいですが、ブルーシートなどをかぶせておくと温度が上がったり、雨などで水が入りすぎなかったりというメリットがあるようです。
この状態で放置するわけですが、そのままだと下の方が酸素不足で腐敗してしまうことがあるそうです。それを防ぐために、「切り返し」という作業をします。切り返しは堆肥の材料を混ぜ合わせることで、それによって腐敗を防ぎます。
この切り返しで、堆肥枠を2段にしたことが役立ちます。まず、上の堆肥枠を取って隣に置きます。そこに入っていた堆肥の材料を隣に置いた堆肥枠の中に入れます。次に下の堆肥枠を取って上に重ねます。堆肥枠に入っていた堆肥の材料を堆肥枠に移す形で切り返しをします。
切り返しは1か月に1回程度がいいそうです。今回は堆肥を作り始めてから2か月後に切り返しをしました。雑草の分解があまり進んでいないようなので、米ぬかを入れました。
切り返しをするときに、写真にあるようなフォークを使うと楽にできます。安いものでも4,000円程度となかなかの金額ですが、DCMブランドの四本爪フォークなら税込2,178円で手に入れることができます(2022年12月時点)。
最後にブルーシートをかぶせて完了です。雑草の体積がだいぶ減ったので、堆肥枠は1段にしました。
この切り返しを1カ月に1回程度行って、6ヶ月くらいで堆肥が完成するそうです。